2012年7月11日水曜日

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紀伊民報
「もしもあのとき」(東電全面撤退の打診の件)
(2012年05月29日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=232421


 もしもあの時、現場から作業員が全面撤退していたら、と考えるだけでも背筋が寒くなる。東京電力福島第1原子力発電所で起きた爆発事故のことである。

  ▼「国会事故調査委員会」がいま、連日のように当時の政権担当者を参考人として招致し、事故の検証作業を続けている。そこで証言した海江田万里・元経産 相、枝野幸男・元官房長官、菅直人・元首相が口をそろえて当時の清水正孝・東電社長から「全面撤退」の申し出があったと証言した。

 ▼東 京電力の勝俣恒久会長は「(全面撤退の打診は)全く事実ではない」と主張しているが、菅氏がこの話があった後、東京電力本社に乗り込んで激しい口調でしっ せきしたことを「過剰介入」と批判されていることと併せて考えると、政権トップが「東電が事故処理から逃げようとしている」と受け止めていたことは間違い ない。だからこそ、東電に乗り込み「撤退」を食い止めたのだろう。

 ▼菅氏はさらに、原発の規制を担う経産省原子力安全・保安院には「初期の段階で原子力の中身を説明できる人がいなかった」と説明。東電と電気事業連合会の関係を「原子力ムラ」と断定して「戦前の軍部のあり方と重なった」とも証言している。

 ▼それぞれが政権トップの貴重な証言である。この意味をしっかり点検し、総括して、今後に生かしてほしい。繰り返しになるが、あの時、現場から全面撤退していたら、と思うだけでもぞっとする。(石)



(2012年05月29日更新)
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