2012年7月11日水曜日

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紀伊民報
「もしもあのとき」(東電全面撤退の打診の件)
(2012年05月29日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=232421


 もしもあの時、現場から作業員が全面撤退していたら、と考えるだけでも背筋が寒くなる。東京電力福島第1原子力発電所で起きた爆発事故のことである。

  ▼「国会事故調査委員会」がいま、連日のように当時の政権担当者を参考人として招致し、事故の検証作業を続けている。そこで証言した海江田万里・元経産 相、枝野幸男・元官房長官、菅直人・元首相が口をそろえて当時の清水正孝・東電社長から「全面撤退」の申し出があったと証言した。

 ▼東 京電力の勝俣恒久会長は「(全面撤退の打診は)全く事実ではない」と主張しているが、菅氏がこの話があった後、東京電力本社に乗り込んで激しい口調でしっ せきしたことを「過剰介入」と批判されていることと併せて考えると、政権トップが「東電が事故処理から逃げようとしている」と受け止めていたことは間違い ない。だからこそ、東電に乗り込み「撤退」を食い止めたのだろう。

 ▼菅氏はさらに、原発の規制を担う経産省原子力安全・保安院には「初期の段階で原子力の中身を説明できる人がいなかった」と説明。東電と電気事業連合会の関係を「原子力ムラ」と断定して「戦前の軍部のあり方と重なった」とも証言している。

 ▼それぞれが政権トップの貴重な証言である。この意味をしっかり点検し、総括して、今後に生かしてほしい。繰り返しになるが、あの時、現場から全面撤退していたら、と思うだけでもぞっとする。(石)



(2012年05月29日更新)
関連ニュース

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紀伊民報
「原子力ムラの腐臭」
(2012年06月05日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=232826


 産官学が結びついて形成した「原子力ムラ」が腐臭をまき散らしている。最近の全国紙をみても、官僚組織と電力会社、研究者の不適切な関係が次々と暴露されている。

  ▼4日の産経新聞は、東京電力福島第1原発事故の原因となった長時間の全電源喪失について、国の原子力安全委が「対策は不要」という文書を電力会社側に出 すよう指示。東電が作った文書をもとに報告書を作成して、安全指針の改正を見送っていたと報じた。安全確保より、電力会社側の利益を優先したといわれても 仕方がないだろう。

 ▼3日の朝日新聞は、高速増殖原型炉「もんじゅ」の安全性を調べるための専門家委員会の委員3人が原子力関連企業・ 団体から、5年間に1610万円の寄付を受けていたことを調査報道で明らかにした。それぞれ、阪大、京大教授など立派な肩書を持った専門家だが、賄賂まが いの寄付をもらって恥じない様子である。

 ▼労組も負けてはいない。東電労組の委員長は先日、中部電力労組の大会で「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」と脅迫、脱原発に動く民主党の政策に不満を示した。

  ▼みんなまるで、あの原発事故がなかったかのような振る舞いである。多くの人が故郷を追われ、今も苦しんでいるのに、こんな連中が国の原子力政策を牛耳っ ているとはどういうことか。それを制御できない政治が嘆かわしい。もう、市民が立ち上がるしか手はないのだろう。 (石)



(2012年06月05日更新)
関連ニュース

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紀伊民報
「国会事故調の報告を読む」
(2012年07月09日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=234791


 東京電力福島第1原発の事故で、国会事故調査委員会が公表した報告書を読むと、東電や官僚組織の責任感のなさ、政治のレベルの低さに頭がクラクラする。こんな人たちに、故郷を追われた人たちの無念を思うと涙が出る。怒りがこみ上げてくる。

  ▼報告書はいう。「原発が地震にも津波にも耐えられない状態であり、過酷事故にも対応できなかったこと、これらが根源的な原因で、適正なら今回の事故は防 げたはず」「当初の耐震設計は明らかに不十分だった」「耐震安全性の見直しと補強を迅速に行えばよかったが、最低限の改善すら怠っていた」。

 ▼規制当局の責任追及にも踏み込んだ。「力量不足から指導や監督をおろそかにした」「規制する立場とされる立場が逆転し、規制当局が電気事業者の虜(とりこ)になってしまった結果、安全についての監視・監督機能が崩壊した」。

 ▼東電の経営体質も糾弾する。「東電はエネルギー政策や規制に強い影響力を持ちながら、自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する黒幕のような経営を続け、事故対応をゆがめた」。東電の社長は「官邸の誤解や過剰介入を招いた張本人といわなければならない」。

 ▼この問題提起を原発政策に生かさなければならない。それが政治家、官僚、事業者の責任である。ところが、大飯原発再稼働への対応などをみると、その点が心許ない。連日のように「再稼働反対」のデモが続くのも無理はない。 (石)



(2012年07月09日更新)

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紀伊民報
「生活見直し脱原発」 木村さん(和歌山県)串本で講演
(2012年07月10日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=234831


写真URL
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/newsphoto/2348311.jpg

 東京電力福島第1原発の元技術者、木村俊雄さん=高知県土佐清水市=が8日、和歌山県串本町西向の町役場古座分庁舎で講演した。12年間福島第1原発で 炉心設計技術者として勤務し、退職後は自然エネルギーを使った生活を目指している木村さんは「まずは一人一人が今までの生活を見直し、家庭で電力会社の電 気をなるべく買わないことが原発から脱却するための鍵になる」と呼び掛けた。

 串本町の串本ええとこ会(堀口一志代表)が主催し、約100人が参加した。木村さんは「エネルギーを自給自足できる暮らし、地域づくりを目指して」と題して講演した。

  木村さんは福島県出身。中学校卒業後は女手一つで育ててくれた母親を楽させようと、東電の企業内学校「東電学園高等部」(2007年廃校)に進み、電力マ ンとしての教育を受けた。卒業後は新潟県の柏崎原発を経て福島第1原発で炉心の運転や核燃料の配置を担当する技術者になった。

 1991年、1号機のディーゼル発電機が海水につかり停止する事故があり、津波による炉心溶解(メルトダウン)の可能性を上司に申告したが、津波の被害を想定することはタブーであるとして改善されなかったという。

  不信感を募らせた木村さんは「原子力に将来はない」と、2001年に36歳で東電を依願退職。その後も福島に残り、原発の津波被害に警鐘を鳴らしていた が、東日本大震災でその不安は的中した。震災後は土佐清水市に移住し、電力会社からなるべく電気を買わずに太陽光発電や小水力発電を使った地域づくりを提 唱している。

 講演で木村さんは、原子力発電は火力発電に比べて熱効率が悪いと指摘し「日本人は高価な電気をだらだらと使う生活を、知ら ず知らずのうちにさせられている」と話した。原発から脱却するため、まずは家庭での電力消費を減らすことが大切だといい、湯を沸かすのに電気ポットからガ ス湯沸かし器に変えるなど、生活を見直すことが電力依存に対する対抗策であると主張した。

 家庭で電気を使えば使うほど電力会社や融資す るメガバンクがもうかり、原発の建設や運転が進むと説明した上で「電力会社に電気料金を払うことで原子力を生み出し、一部の金もうけのためのシステムに知 らず知らずのうちに引きずり込まれている。いくら原発再稼働反対と言っても原発を動かしたい人は何も聞かない。それよりも一人一人が生活を見直し、電力を なるべく使わない消費スタイルにシフトすべきだ」と呼び掛けた。

 木村さんは余った電気を電力会社に売るシステムではなく、発電した電気 を蓄えて家庭で使い切る独立型の太陽光発電装置の事業化に取り組んでいる。「ソーラー発電の設置などで雇用を創出できる。串本でも行政に頼らず、自分たち のコミュニティーの中で仕組みづくりをするなら、そのお手伝いをしたい」と述べた。


【自然エネルギーについて講演する元東電社員の木村俊雄さん(和歌山県串本町西向で)】

(2012年07月10日更新)
関連ニュース

2012年7月7日土曜日

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Foresight
「本当の原発発電原価」を公表しない経産省・電力業界の「詐術」
2011/07/07(昨年の記事です)
塩谷喜雄 Shioya Yoshio   
科学ジャーナリスト
http://www.fsight.jp/article/10620?ar=1&page=0,0&ar=1
http://www.fsight.jp/article/10620?ar=1&page=0,1&ar=1


(1)
     この国では、「安定した復興」とは元の黙阿弥のことを指すらしい。政治家たちの錯乱ぶりに隠れて、原発と電力の地域独占は何の検証も経ず に、今まで通りそっくり継続される気配が濃厚である。福島の事故が打ち砕いた原発安全神話に代わって、経済産業省と電力会社が流布するのはもっぱら原発 “安価”神話だ。火力や水力に比べ原発の発電原価が断然安いという、架空の、妄想に近い数字が幅を利かせている。評価も監視も放棄した新聞・テレビは、今 度も懲りずに虚構の安価神話をただ丸呑みして、確かな事実であるかのように伝え、社会を欺き続けている。日本経済が沈没するとすれば、その原因は原発停止 による電力不足や料金高騰などではなく、行政と業界が一体となった利権と強欲体質の温存が主因であろう。
  
  

国民への「2重の恫喝」

   6月13日、経産省所管の日本エネルギー経済研究所が、停止中の国内原発がこのまま再稼働せず、稼働中の19基も順次停止した場合、その分を 火力で賄うと、2012年度は1家庭当たりの電力料金が毎月1049円増えるという試算を発表した。電力需要がピークを迎える夏を前に、停止中の原発の再 稼働が議論になり始めたタイミングで、あまりにもあからさまな再稼働応援歌であった。
 政策選択において、自分たちに都合のいい試算や見通しを、傘下の研究機関に出させるのは、経産省のいつもの手口である。今回は、単なる世論誘導にとどまらず、原発を止めたら電気料金は上がり、一方で停電の危機も増大するという、2重の恫喝を含んでいた。
 この発表を普通に受け止めれば、発電原価が安い原発が止まって、原価が高い火力で代替すれば、発電コストが上がって料金も上がるのは仕方ないと、納得してしまう。
 しかし、電力会社もそれを監督する経産省も、発電所ごとの発電原価を一切公表していない。何度も情報開示を要求されているが、「企業秘密」だとして、か たくなに公開を拒んでいる。どこの原発がどれくらいのコストで発電しているかが分からないのに、それを火力で代替するといくら原価が上がるのかをはじき出 せる道理がない。
 だから、試算をいくら読んでも、なぜ標準家庭1世帯当たり月1049円上がるのか、論理的根拠が見つからない。書いてあるのは、原発の分を火力で賄う と、燃料費が新たに3.5兆円かかるので、その分を料金に上乗せすると、1kWh当たり3.7円、1世帯で月1049円増になるという計算である。
 火力の燃料費増加分をそっくり料金に上乗せするというのは、全く論理性を欠いている。もしそれが正当なコストの反映なのだとしたら、原発というのはいく ら動かしても一銭もかからない存在で、コストはゼロだということになってしまう。コストゼロというのは大抵の場合は「大ウソ」である。
  

「モデル試算」という空想の発電コスト

   本来は、原発稼働時の発電原価と、それを火力で代替した場合の発電原価を比較しなければならないはずなのに、原発の発電原価を隠してごまかすために、追加燃料費の全額上乗せなどという目くらましの虚構を組み立てねばならなかったのだろう。
 こんなご都合主義の数字をご大層に押し戴いて、原発が再稼働しなければ日本は沈むなどと、国民や地元に誤った判断を迫った新聞・テレビの罪は重い。もし まっとうな批判能力があるなら、この試算が実は「原発は止められる」ということを、原子力利権ムラ自身が証明したものであることに、気づいたはずだ。燃料 費だけを追加すれば、日本の全原発の発電量を、火力で十分に代替できることを、経産省が認めたのである。
 経産省と電力業界は、「本当の発電原価」は公開していないが、原発安価神話の源になった、ご都合主義の数字ならちゃんと出している。半可通のエコノミス トなどがよく例に引く「モデル試算による各電源の発電コスト比較」というのが、2003年に電気事業連合会(電事連)から発表されている。
 これはモデルプラントという架空の原発が理想的に運転されたときの、空想の発電コストを示した「夢と幻」の産物である。現実の原発のコストを何も反映し ていないし、何も示していない。実体とは無関係だから、見せかけの原発のコストが下がるように、好き勝手な、恣意的な設定で計算している。法定耐用年数が 16年の原発も、15年の火力発電所も、40年間無傷のまま動かしたとして、コストを想像してしまった。
 その豊かな想像力の産物が「1kWh当たり原子力5.3円、石炭火力5.7円、LNG火力6.2円、石油火力10.7円、水力11.9円」という数字になって、霞が関や大手町を大手を振って独り歩きしている。
  

電力会社自身の見積もりと激しく乖離

   この数字がいかに現実と乖離しているかは、電力会社自身が原発の設置許可申請の時に、経産省の電源開発調整審議会(現・電源開発分科会)に提 出した資料を見ればよくわかる。それによると、日本の主要な原発の1kWh当たりの発電原価見積もりは、「泊1号機17.9円、女川1号機16.98円、 柏崎刈羽5号機19.71円、浜岡3号機18.7円、大飯3号機14.22円、玄海3号機14.7円」となっている。5.3円なんて原発はどこにも存在し ない。
 比較的原価見積もりが高い原発を列挙したが、1kWh当たりのコストが10円を切っている原発が2つだけある。大飯4号機の8.91円と、玄海2号機の6.86円である。それを考慮しても、どこをどうやったら、日本の原発の発電原価が5.3円などと言えるのか。
 きっと原子力利権ムラの提灯持ちたちは、こう言うに違いない。「電調審への申請数字は、初年度の原価見込みか、16年の法定耐用年数運転を前提にしたもので、40年耐用のモデル試算は別物で、比較しても意味はない」と。
 それでは、現実の原発コストとは何の関係もないモデル試算を、何のためにはじき出したのか。その理由を経産省と電事連には聞きたい。原発は安いという架 空のイメージを植え付けるだけでなく、本当は原発が他の電力に比べて圧倒的に高い「孤高」の電源であることを、ひた隠すためのプロパガンダではなかったの かと。
 2003年のモデル試算には、核燃料サイクルのコストは全く反映されていない。その後、さすがにまずいと思ったのか、経産省も核燃料サイクルやバックエ ンド(放射性廃棄物の処理・処分)の費用を、少しは組み入れた。しかし、高速増殖炉の開発・運転費用や、再処理を委託した英仏からの返還廃棄物の関連費用 などは除外し、廃炉費用も極端に安く見積もっている。
(2)
  

じつは断トツで高い原子力の発電コスト

   モデル計算ではなく、公開されている電力会社の有価証券報告書から、これまでの原発の発電実績と費用をもとに、原発の発電原価を計算したの が、大島堅一・立命館大学教授である。現在の発電原価に1番近いと思われるその数字は、原子力8.64円、火力9.8円、水力7.08円で、原発は決して 安くない。
 需要の変動に合わせた柔軟な負荷変動運転が苦手な原発は、需要の少ない夜間も目いっぱい発電する。それを昼に持ち越すために、夜間電力を使って水を下か ら上にくみ上げ、それを昼に落下させて電気を起こす「揚水発電」をしている。これはいわば原発専用のサブシステムだから、1kWh当たり40円とも50円 ともいわれるそのバカ高いコストを原発の発電原価に組み入れ、さらに電源立地の名目で地元懐柔策に投入されている膨大な税金も反映させると、発電コストは 原子力12.23円、火力9.9円、水力7.26円になり、原子力が断トツで高い電源となる。 
 経産省や電事連の「試算」という名の発表が、大本営発表よりたちが悪いのは、経済成長の担い手としての、メディアからの盲目的な信頼を利用して、真っ赤 なウソではなく、それらしい信頼性の意匠を凝らしていることだ。まさか、幹部のほとんどが東大卒の役所と会社が、詐術に等しい数字をもてあそぶはずはない と思ってしまう。モデル試算を現実と取り違えるのは受け手の方が悪いという、巧妙な逃げも用意されている。
  

環境問題でも示された経産省のあざとい試算

   その典型的な事例が地球環境問題でもあった。2009年8月5日、経産省の総合資源エネルギー調査会需給部会に、経産省から1つの試算が示された。お得意の試算である。経産省の試算インフレなどともいわれている。
 中身は地球温暖化防止の基本計画によるCO2など温室効果ガスの排出抑制策と、家計の可処分所得や光熱費負担の関係を、はじき出したという触れ込みだっ た。当時の自公政権の掲げた排出抑制目標は、2020年までに2005年比で、15%削減というものだった。それに対し、民主党は1990年比で25%の 削減を主張していた。
 試算は両者が家計にどれくらい影響を与えるかを計算している。間もなく解散総選挙という時に、政権を争う与野党の環境政策の優劣を、一役所が比較してみせるという、かなりあざとい技だった。
 この試算をマスメディアのほとんどはこう報じた。「15%削減なら可処分所得は年に4万4000円減り、光熱費が3万3000円増える。25%削減だと 可処分所得は年に22万円減、光熱費は14万円増える」。記事を読んだりニュースを聞いたりした人は、25%なんて削減すれば、これから毎年36万円も負 担が増えると受け取ったに違いない。自公政権への露骨な応援歌である。
 事実、「家計を傷めて何が温暖化対策だ」という反応があちこちで聞かれた。この試算、今年6月の原発停止と家計負担の試算と同じで、奇妙奇天烈な想定で つくられている。2009年から2020年まで毎年1%以上の経済成長が続くと、20年には現在より家計の可処分所得は90万円以上増える。排出削減策を 講じると、25%削減でも可処分所得は70万円ほど増えるが、何も策を講じなかったときに比べれば増加分が22万円少ないという話である。12年後に予想 される可処分所得の増加分が、少々目減りするという程度の話で、無意味といってもいい。
 そんな数字を有難がって、排出削減を嫌う経産省や経団連の目論見通り、来年から毎年、家計の所得が22万円ずつ減っていくと触れまわったマスメディアの 罪は重い。今年6月の試算と共通するのは、無理して虚偽を積み重ねているので、発表した経産省が自分の首を絞めている部分があることだ。25%減という大 胆な排出削減を行なっても、経済は成長し、可処分所得は増えると、アンチ温暖化の経産省が認めているのだ。
  

大臣は使いっ走りか

   当時の経産次官であり、エネルギー官僚として地域独占の過ちを糊塗し続けてきた望月晴文氏が今、内閣官房参与として官邸にいる。本当に日本の エネルギーとして原子力が不可欠なら、安全性や経済性で虚構や欺瞞を重ねるのではなく、正直に発電原価も、隠された費用も明らかにして、国民に問うべきだ ろう。
 電力料金は「総括原価方式」で決まる。電力会社が社員の給与まで含めてかかった費用全部(原価)と、それに一定(現在は約3%)の報酬(利益)を上乗せ して、電力料金収入とするのだから、絶対もうかる左うちわの地域独占である。現在時点での原価を、できうる限り明らかにするのは、電気事業者と監督官庁の 契約者に対する義務だろう。
 E=mc2という質量とエネルギーの関係を示したアインシュタインの方程式は美しく、文明をエネルギーのくびきから解放する可能性を秘めている。実はそ の技術的な可能性を奪っているのが、嘘や騙しや脅しで、人をたばかろうとする利権集団ではないか。血税も含めて巨費を投じた原発には、必要な安全策をしっ かり施し、ちゃんと働いてもらうべきだと思う。老朽原発は廃炉にして、原発最優先の歪んだエネルギー政策から、徐々にフェードアウトを目指すべきだろう。 それに関するシナリオは既にいくつも提案されており、経産省の原発固執路線よりはずっと現実的なものがある。
 それにしても、九州電力の佐賀県・玄海原発の再稼働で、海江田万里経産相は、国が安全を保証すると言ったそうだが、どうやって保証するのか。国が原子力 の安全を保証するのは、行政庁の審査と原子力安全委員会の審査の「ダブルチェック」を受けた場合である。安全委が安全指針の見直しをすると言っている時期 に、行政が指示した安全策も途中でしかない玄海原発の安全を、国が保証できるわけがない。それが日本の法制度なのだ。海江田さん、東電本社に日参している うちに、すっかりムラの住人になってしまったようだ。大臣が役所や企業の使いっ走りをするのは、あまり見たくない。2011/07/07(昨年の記事です)「Foresight」から

2012年7月5日木曜日

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ケンオー・ドットコム
福島第1原発の事故調が報告書を公表、「この事故が『人災』であることは明らか」 (2012.7.5)
http://www.kenoh.com/2012/07/05jikocho.html


国会の東京電力福島第1原発事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、報告書を公表。このなかで「この事故が『人災』であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任の欠如があった」と断じている。
報告書を公表した東京電力福島第1原発事故調査委員会のホームページ
報告書を公表した東京電力福島第1原発事故調査委員会のホームページ
報告書は約640ページ。そのダイジェスト版の「はじめに」は冒頭、「福島原子力発電所事故は終わっていない」とし、背景として「ほぼ50年にわた る一党支配と、新卒一括採用、年功序列、、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思い込み(マインドセット)」が あった。」としている。
同事故調は東日本大震災から9カ月後、国会の下に憲政史上初めて政府からも事業者からも独立した調査委員会として衆参両院の全会一致で可決されて発足した。報告書は事故調のホームページで閲覧できる。

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朝日新聞
国会事故調が最終報告書を決定 菅首相らの過剰介入批判
2012年7月5日13時35分
http://www.asahi.com/politics/update/0705/TKY201207050175.html


 東京電力福島第一原発事故を検証する「国会事故調査委員会」(黒川清委員長)は5日午前、最終報告書を決定した。すでに示されている中間見解では、当時 の菅直人首相ら官邸の初動対応を「現場介入を頻繁に繰り返した」と批判。午後公表される最終報告書も、官邸の対応を厳しくただす内容となる見通しだ。
 国会事故調は民間有識者10人で構成され、昨年12月に設置。菅氏や東京電力の勝俣恒久前会長ら38人を公開で参考人招致したほか、延べ1167人の関係者に900時間を超えるヒアリングをおこなった。
 国会内で5日に開かれた国会事故調では、黒川委員長が「報告書は英語版をつくり、世界に対しても発信したい」と説明。最終報告書は約600ページにわた り、同日午後に衆参両院議長ほか、国会事故調の上部団体である衆参両院の議院運営委員会合同協議会に提出したうえで一般公開する。

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47トピックス
【福島原発の国会事故調】「明らかに人災」 地震で損傷、否定できず  東電、規制当局を批判
(共同通信)2012/07/05 17:32  
http://www.47news.jp/47topics/e/231439.ph


  東京電力福島第1原発事故で、国会が設置した事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、「事故は自然災害ではなく、明らかに人災だった」とする報告書をまとめ、衆参両院議長に提出した。
 報告書は「第1原発は地震にも津波にも耐えられる保証がない 脆弱 (ぜいじゃく) な状態だったと推定される」と指摘。「東電や規制当局の原子力安全委員会などは地震や津波による被災の可能性、シビアアクシデントへの対策、住民の安全保 護など当然備えておくべきことをしていなかった」と批判した。
 事故の根源的な原因については「規制する立場と規制される立場が逆転し、原子力安全についての監視機能の崩壊が起きたことだ」と認定。地震の揺れによる原発への影響に関し「1号機の安全上重要な機器の損傷の可能性は否定できない」との見方を示した。
 避難指示が住民に的確に伝わらなかったことについて「規制当局の防災対策への怠慢と、当時の官邸、規制当局の危機管理意識の低さが、住民避難の混乱の根底にある」と結論付けた。
 国会事故調は七つの提言をまとめ、今後国会で議論するよう求めた。
 提言は①国会に規制当局を監視する常設の委員会設置②政府の危機管理体制の抜本的見直し③被災住民の生活基盤回復④事業者が規制当局に不当な圧力をかけないよう監視⑤規制組織の抜本的な転換⑥法規制の見直し⑦国会に独立調査委員会設置―としている。
(共同通信)
2012/07/05 17:32

2012年7月2日月曜日

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東京新聞 TOKYO WEB
【社説】討論型世論調査 民意が軽視されぬよう
2012年7月2日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012070202000118.html


 消費税増税や原発再稼働を決めた政治に「熟議」の跡はなかった。永田町に、霞が関に、任せきりでいいのか。代議制を補完する手法として討論型世論調査を広め、真の民主主義を取り戻したい。
 メディアや専門機関が行う通常の世論調査では瞬間的に意見を求められ、十分な情報がないまま思いつきで答えてしまいがちだ。“小泉劇場”や政権交代劇は、世論がムードに流された。そうした大衆迎合に陥りやすい民主主義の弱点を補う手法が討論型世論調査(DP)だ。
 やり方はこうだ。例えば、三千人を対象に通常の世論調査を実施し、回答者の中から討論に参加する三百人程度の希望者を募る。関連資料を読み込んで もらって二度目、グループ討議や全体会議を通じて専門家から賛否双方の意見を平等に聞いた上で三度目の調査をする。その結果、態度や意見の変化が表れる。 それこそが熟議を経た深い民意なのだ。
 考案した米国の政治学者は一九八八年の大統領選予備選で、最初にある小さなアイオワ、ニューハンプシャー両州の結果が流れを決めたことに疑問を抱 いた。九六年の大統領選でDPを導入したところ、直面する課題は「経済不安」という回答が討論前の36%から討論後は51%に上昇、大きな争点に浮上し た。以来、約二十の国・地域で実施されている。
 日本では神奈川県藤沢市が新総合計画策定にあたり、慶応大DP研究センターの協力を得て取り入れたのが最初。同センターは昨年五月、年金をテーマ に全国規模で実施した。基礎年金の全額税方式について「賛成」の回答が順次増え、保険料方式の維持が難しいとの認識が深まった。
 国会は増税ありきで肝心な社会保障を先送りし、政府は暫定の安全基準で原発再稼働を認めた。年金、原発をどうするか-は国民に多様な意見があるは ずだ。すでに「民意なき民主主義」に陥っている。将来のつけはすべて国民に回ってくる。熟議できない政治家に代わって、しっかりとした民意を示していくた めにもDPを援用したい。
 エネルギー政策やTPPなど国民に賛否両論がある問題にDPは有効だ。討論内容を公開すれば国民的関心を呼び、タウンミーティングのやらせ質問や パブリックコメントの組織的な意見も防げる。最終結果を政策に反映していく工夫も考え、ムードではなく政策を選択する選挙に変えたい。

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東京新聞 TOKYO WEB
東電の値上げ幅圧縮へ 事業報酬を百億円削減
2012年7月2日 21時20分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012070201000750.html


 東京電力の家庭向け電気料金の値上げを検証する経済産業省の専門家委員会は2日、査定方針の原案を示した。電力会社の利益に相当するとみなされる 事業報酬は、原価に盛り込んだ2815億円から約100億円削減すべきだとの見解を提示した。東電の値上げ幅は、現在申請中の平均10・28%から圧縮さ れる見通しになった。
 委員会は、原子力関連など一部の広告宣伝費や原発の立地自治体に対する寄付金も除外するよう要求した。割高との批判がある燃料費や人件費は東電の申請内容をおおむね容認。福島第1原発事故の安定化費用など残る論点を今後詰める。
(共同)

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(2012年7月2日20時57分  読売新聞)
鳩山元首相「間違った法案を押し通せば分裂」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120702-OYT1T01051.htm?from=y10


 民主党の鳩山元首相は2日、小沢一郎元代表の離党届提出について、「間違った法案を強引に押し通せば分裂になることは分かりきっていた。党(執行部)のみなさんにむしろ反省を求めたい」と述べ、野田首相らの対応を批判した。
 東京都内で記者団に語った。
今後の小沢氏との連携については、原子力発電所の再稼働や環太平洋経済連携協定(TPP)参加問題などを例に「政策的には非常に近い。協力関係を 模索することが出来る」と語った。自らの離党については、「私は残って、もっと国民のためになる党に変えられるか試みたい」と話し、否定した。
(2012年7月2日20時57分  読売新聞)