紀伊民報
「国会事故調の報告を読む」
(2012年07月09日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/colum/article.php?storyid=234791
東京電力福島第1原発の事故で、国会事故調査委員会が公表した報告書を読むと、東電や官僚組織の責任感のなさ、政治のレベルの低さに頭がクラクラする。こんな人たちに、故郷を追われた人たちの無念を思うと涙が出る。怒りがこみ上げてくる。
▼報告書はいう。「原発が地震にも津波にも耐えられない状態であり、過酷事故にも対応できなかったこと、これらが根源的な原因で、適正なら今回の事故は防
げたはず」「当初の耐震設計は明らかに不十分だった」「耐震安全性の見直しと補強を迅速に行えばよかったが、最低限の改善すら怠っていた」。
▼規制当局の責任追及にも踏み込んだ。「力量不足から指導や監督をおろそかにした」「規制する立場とされる立場が逆転し、規制当局が電気事業者の虜(とりこ)になってしまった結果、安全についての監視・監督機能が崩壊した」。
▼東電の経営体質も糾弾する。「東電はエネルギー政策や規制に強い影響力を持ちながら、自らは矢面に立たず、役所に責任を転嫁する黒幕のような経営を続け、事故対応をゆがめた」。東電の社長は「官邸の誤解や過剰介入を招いた張本人といわなければならない」。
▼この問題提起を原発政策に生かさなければならない。それが政治家、官僚、事業者の責任である。ところが、大飯原発再稼働への対応などをみると、その点が心許ない。連日のように「再稼働反対」のデモが続くのも無理はない。 (石)
(2012年07月09日更新)
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